社内ニートが辛い理由とその解決策

2017年10月6日

社内ニートは、会社から仕事を与えられず、一日中何もせずに過ごしている人たちです。一見するとやることがなくて楽そうに見えますが、実はかなり精神的に辛いです。まともな人なら忙しい方がずっとマシだと思うでしょう。今回は社内ニートがなぜ辛いのかについてお話しします。

時間が経つのが遅い

人間の体感時間は脳から受ける刺激の量に比例します。やりがいのある頭脳労働をしていると頭がフル回転するので時間の経過も早く感じますが、ライン作業などの単調作業は脳をほとんど使わないので、退屈で時間が経つのが遅く感じます。社内ニートはやるべき仕事がないので、脳への刺激がゼロに近く、経過する時間は無限のように思えてきます。

経過する時間が長く感じると、仕事の時間が実際以上に長く感じてしまいます。面白い仕事なら8時間労働でも体感時間は4時間程度ですが、退屈な仕事だと1時間の仕事でも8時間くらいに感じられます。人間は退屈なことを何時間も続けられるほど忍耐強くありません。

ライン作業をすると頭がおかしくなるという噂があるのもこのためで、退屈すぎる仕事は人間の精神を蝕みます。もし単調作業に従事しているなら、できるだけ早くやめましょう。生きることへの意欲や活力が徐々に失われ、取り返しのつかないことになってしまいます。

「人はなぜ退屈するのか?」について詳しく知りたいなら、「暇と退屈の倫理学」もしくは「大人の時間はなぜ短いのか」という本を読みましょう。どちらも退屈という概念を面白く考察した良書です。

周囲からの視線が痛い

人間は社会的な生き物で、集団に属せばその中での自分の立ち位置に敏感になるものです。人が仕事を頑張るのは、お金のためもありますが、周囲の期待に応えたいという気持ちも少なからずあるはずです。そして自分の成果や頑張りが社内で正しく評価されれば、モチベーションも上がります。私たちは多かれ少なかれ他者からの評判で精神的に支えられているのです。

しかし社内ニートは社内での評判が良くありません。周囲からの視線も痛々しく、「あいつ仕事しているのか?」と思われていることでしょう。この状況で一番辛いのは、社内ニート本人です。自分が会社で役に立っていることを実感できず、ただ足手まといになっているに過ぎない、そうした自己認識はやがて自己嫌悪になり、やがてはうつ病を発症してしまいます。

もう一度言いますが人間は社会的な生き物です。社会の中でうまく活躍できるよう、自分をコントロールして、社会の一員としての尊厳を取り戻さなくてはいけないのです。

人間には誰しも他者から認められたい欲求があり、社員の承認欲求をうまく満たしてあげることで、彼らのモチベーションを引き上げることができます。このことに関してもっと知りたいなら、「承認欲求」という本を読むことをお勧めします。日本社会の承認のあり方とそれを効果的に活用する方法が書かれています。

スキルアップできない

人間は自分の成長を実感できているときにも幸福を感じられます。難しいゲームがクリアできたとき、難しい問題が解けたとき、ネットビジネスが成功して収入が入ったときなど、困難を達成することで、人間は人生に対して充足感を得られます。

これは仕事の場合も同様で、スキルアップして難しい仕事がこなせるようになると、自分の成長を実感できて大きな満足を得ます。雇用の流動性が高い欧米の市場で、労働者が次々とキャリアアップを目指すのも、それが一つの一因です。お金で得られる満足には限りがありますが、個人の成長で得られる満足には天井がありませんからね。

しかし社内ニートは肝心の仕事がもらえないので、仕事を通じてキャリアアップできません。そのまま社内ニートとして数年過ごしていると、その時間は完全に無駄になり、転職するときには全く価値のない人材になってしまいます。社内ニートは会社にとっても損失ですが、労働者個人にとっても大きな損害をもたらす害悪なのです。

人間には誰しも人的資本を持っており、これを活用して労働でお金を稼ぎます。年収の高い医者や弁護士は高度な頭脳を持っており人的資本が高いですが、誰でもできる仕事をしている肉体労働者は人的資本が低いです。労働市場ではスキルアップを通じて人的資本を高め、収入を増やしていくのが一般的です。しかし社内ニートの場合はスキルアップができないので、人的資本を高めることができません。社内ニートは私たちの大事な資産、人的資本に損害を与えているのです。

お金持ちになるためのもっとも堅実な方法はスキルアップで人的資本を高めることです。では日本のような硬直した労働市場ではどうやって人的資本を高めるべきでしょうか?それに関しては橘玲氏の著書「幸福の「資本」論」という本に具体的な方法が書かれています。

堂々とサボれない

会社の営業職は厳しいノルマがあるため、仕事がキツイ印象がありますが、一概にそうとも言い切れません。外回りの営業にだけ与えられた特権、それは堂々とサボれることです。会社の外に出ると監視の目が届かないため、堂々とサボる営業マンが少なからずいます。コンビニやパチンコの駐車場で、車内で仮眠をとったりスマホをいじっている人がいますが、十中八九あれはサボりです。

8時間もずっと会社に見張られるのはストレスが溜まるので、彼らにも息抜きが必要なのです。最近は外回りの営業にGPSを持たせて監視する会社もありますが、人間はずる賢い生き物なので、言い訳なんていくらでも思いつきます。厳しいノルマさえなければ、営業はそんなにキツくない職種なのです。

その一方、社内ニートは大抵ずっと会社の中にいるので、堂々とサボることができません。仕事がないのに、仕事をしているフリをしなければならず、精神的にかなり緊張します。こっそりネットサーフィンしているのが見られたら、ネチネチと怒られるに決まっています。だから彼ら社内ニートはワードやエクセルを閉じたり開いたり、無意味な情報を書き込んだりして、無駄な時間を過ごします。

やることがなくて楽に思えるかもしれませんが、これは精神的にものすごく辛いです。社内ニートとしてこんなことをするくらいなら、単調な肉体労働に方がまだマシです。単調で退屈ではありますが、やることはあるので、会社の役に立っているという実感は得られます。

社内ニートが発生する原因

そもそもなぜ社内ニートなるものが存在するのでしょうか?その理由は仕事量が少ないからです。猫の手も借りたいほどの忙しい職場なら、使える人材は積極的に使おうとするので、社内ニートが発生することはありません。逆に仕事がほとんどない職場だと、少ない仕事の取り合いになるので、新人や末端の社員には仕事は回ってきません。あるとしても書類の印刷や電話応対、書類作成など、誰でもできるつまらないものばかりです。

またこうした会社は総じて保守的で、新しい雇用体系や給与制度を考えようとはしません。ほとんどの社員は正社員として雇われ、8時間拘束され、1時間で済むような仕事をものすごくゆっくりと行うのです。このようなぬるま湯な労働環境に何年も浸かっていると、働く意欲やモチベーションが損なわれ、転職しようにも即戦力となるスキルを持っていない状態になってしまいます。

こうした会社の存在は社会的にも害悪で、本来なら市場によって淘汰されるべきです。しかし日本では正社員を解雇できないので、生産性の低い会社・事業がゾンビのように生きながらえています。正社員の雇用の解雇規制に関しては、「会社が正社員を解雇できない理由」という記事を読んでください。また日本の雇用制度の問題点を知りたいなら「新しい労働社会」という本がオススメです。

解決策は転職のみ

社内ニートから抜け出すための手段は、その会社を辞めることです。仕事のない会社から仕事を貰うことはできません。空の雑巾から水を絞り出そうとするようなものです。労働者の方には辛いことかもしれませんが、それ以外に現実的な選択肢がないのです。

私もかつて社内ニートだったのでわかりますが、仕事のない会社は慢性的に仕事がありませんし、急にたくさんの仕事が舞い込むこともありません。一度社内ニートになってしまうと、以降もずっとその状態が続きます。ある日突然やりがいのある仕事がたくさん出てくる、なんてことは起こり得ないのです。

確かに転職は面倒ですが、悪い面だけではありません。いろんな会社を新しく見ることで、自分の会社を客観的に見ることができますし、自分に適した仕事や職場を見つけられる可能性も高まります。日本の労働環境は劣悪なものが多いですが、10社見れば1社くらいは妥協できる会社が見つかるはずです。

転職を成功させるには?

仕事で効率よくキャリアアップしたいなら、自分に適した仕事を選ぶことが大事です。そのためにも自分の仕事適性をしっかり把握するべきです。自分に適した仕事を探すなら、実際にいろんな仕事をやってみるのが一番です。机の上で自己分析していても何も始まりません。

私もいろんな仕事を転々とした経験があるからこそ、自分の得手不得手がはっきりと理解できています。私の場合はアスペルガーの傾向が強いので、接客や運転は向いておらず、パソコンや情報を扱う仕事が適しているようです。実際に私は現在ブログとアフィリエイトで数万円の収益を出すことに成功しており、数年たっても辛抱強くサイト運営を続けています。これは私にサイト運営の適性があったためで、接客の仕事なら多分一ヶ月も続かないと思います。

日本の雇用市場では「正社員」という曖昧な職業があり、ずっと正社員として働いていると、自分の仕事適性がわからなくなります。確かに正社員は昇給とボーナスと福利厚生があるので恵まれているようにも見えますが、長い目で見ると不利な状況に陥ります。

これからは同一労働同一賃金やグローバリゼーション、正社員の解雇の自由化への圧力がどんどん強くなり、正社員の肩身は狭くなっていきます。正社員として解雇された時、自分の得意な仕事をはっきり説明できないと、次の会社で雇ってもらえません。そうなると待ち受けるのは低賃金のマックジョブだけです。

まとめ

社内ニートは、やることがないだけの楽な仕事と思われるかもしれませんが、実際は人間の精神と生きがい、人的資本を大きく損なう最悪の仕事です。一度はまってしまうと、抜け出す手段は退職以外にありません。少し前までは一度正社員を辞めてしまうと再就職が困難なので、嫌々ながらも会社にしがみついている人も多くいました。しかし現在は人手不足が顕在化して、労働市場も売り手市場になっています。きちんと勇気を持って社内ニートというぬるま湯を抜け出せる人にのみ、幸福な人生は待っているのです。

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