学校でいじめが起きる原因とその対策

2017年10月6日

昨今いじめによる自殺はニュースなどでも話題になっています。特に学校でのいじめは生徒の心に大きな傷を残し、その成長を妨げるので、未然に防ぐべきです。いじめはいけないことだとわかっている人は多くいますが、その具体的な原因について言及する人は少ないです。今回はなぜいじめが起きるのかについてお話しします。

いじめとは?

いじめとは肉体的・精神的に劣るものを暴力や暴言、差別などで精神的に苦しめる行為です。政府や学校の定める定義も曖昧で、色々解釈がありますが、まずはこの理解で間違いないです。

私たちが犯罪をしない理由

いじめは不当に相手を苦しめるという点で犯罪と似ています。犯罪を放置すると、社会が混乱し国民は怯えて暮らすことになるので、国は警察を使って犯罪を抑止します。犯罪を犯す人間が現れたら、逮捕して罰を与えその行為を改めさせます。嫌いな人間に暴力を振るえば一時的に気分は晴れますが、待っているのは重いペナルティです。私たちが犯罪をしない理由はそれが割りに合わないからです。

原因1:いじめ加害者が裁かれないから

法を犯せば裁きを受ける、それが私たちの住む社会のルールです。しかし学校ではそうとは言い切れません。生徒が暴力を振るったり、いじめの主犯になったりしても、担任の先生がたしなめるだけで重いペナルティは課されません。人間にとってリスクのない暴力は快楽になります。いじめることに快感を覚えた生徒はその行為をエスカレートさせ、最悪の場合いじめのターゲットを自殺に追い込みます。そうなれば殺人者のレッテルを簡単に拭うことはできません。彼らも初期の段階できちんと罰を受けていれば、いじめは割りに合わないと身をもって痛感したはずです。

これは実際にデータも出ており、いじめの99%は公立の小中学校で発生しています。私立の学校だといじめが発生すると、学校の評判はガタ落ちです。だから私立の学校はいじめに対して厳格な対応をとっており、いじめを犯した生徒には退学処分を下すでしょう。退学処分権という厳罰が生徒のいじめに対する抑止力になるのです。このことは橘玲氏の著書「不愉快なことには理由がある」でも同じことが述べられています。

原因2:いじめ被害者が逃げられないから

いじめの原因は加害者が罰せられないことの以外にもあります。それはいじめのターゲットとなった生徒が逃げられないことです。特に日本の学校では生徒の流動性が低く、多くの生徒は親の事情でもない限り入学した学校をそのまま卒業します。クラスや先生が自分に合わないという理由で気軽に自分の通う学校を変えることができません。

いじめの場合でも同様です。子供は基本的に自分の学校での事情を親と共有したくないものなので、いじめられても抱え込んでしまいます。不登校になると親にいじめがバレてしまうので、嫌々でも学校に行かないといけません。こうして逃げ道を塞がれて、精神的に追い詰められた生徒が自殺を選ぶのです。

日本の教育制度では、義務教育により小学生と中学生は学校に通うことを強制されています。通信制などの選択肢ができるのは、高校生になってからです。それまではいじめられてもひたすら耐え抜くしかないのです。識者はしたり顔で「学校が嫌なら行かなければいい」と言いますが、自分が子供だった時、同じような状況に立たされて同じことができるでしょうか?子供にとって学校は唯一無二のコミュニティで、それを失うのは精神的にかなり辛いはずです。

もし日本でも生徒の流動性が高ければ、生徒はいじめられても、他の口実で通う学校を変えることができたかもしれません。これは会社内のいじめでも同じことで、人材の流動性が低いと、労働者は容易に退職できなくなります。「嫌ならやめろ」が成り立つのは人の流動性が高い時のみなのです。

原因3:集団心理

子供はまだ自我を確立できていないため、自分の属する集団に帰属意識を求めます。集団から外れた、もしくは空気の読めない子供は仲間外れにされ、いじめのターゲットになります。特にアスペルガーやADHDの子供は考え方・話し方が他の子供と大きく異なるので、いじめられやすい傾向にあります。

原因4:ストレス

人間社会ではストレスがつきもので、それは学校でも例外ではありません。学校の勉強が理解できなかったり、成績が悪かったり、友人関係でうまくいかなかったりすると、子供はストレスが溜まります。そのストレスのはけ口として、弱い者をいじめる行為に走ってしまいます。特に今の学校教育は座学が中心で、体を動かすことが好きな子供にとっては大きなストレス要因になります。

理想的対策:公立学校を全て民営化する

いじめをなくす方法はシンプルです。それは公立の学校を全て民営化することです。民営化された学校は自力でお金を稼がないといけなくなるので、生徒の奪い合いになります。いじめの風評被害は学校運営において致命的になり得るので、いじめの加害者には退学処分を下すでしょう。誰か一人見せしめに退学処分が下されれば、それだけで大きないじめへの抑止力となるはずです。子供にとって自分の属するコミュニティは命の次に大事なので、それを手放したくないと思います。結局のところ、学校の秩序を維持するには罪と罰が必要だということですね。

しかしこれはあくまで理想論で実現する可能性はまずありません。学校の利権はあまりにも大きく、民営化の余地が入り込む隙間がなさそうですから。しかも今は少子化なので、それを建前に予算を要求することもできます。「公立の学校を潰せ」なんて暴論がまかり通るとは思えません。

心理的対策:子供を学校以外のコミュニティに入れる

人間は本能的に集団から追い出されることを恐れる生き物です。その理由は、昔の人間は集団からの追放が死に直結したためと言われています。人間は昔から集団生活を行なってきたので、一人で生きていくには弱すぎる生き物だったのでしょう。

この心理は現代の子供にも当てはまります。学校で集団から仲間外れにされると、激しいストレスを感じてしまい、より消極的で悲観的な性格になってしまいます。そうなると他の生徒と仲良くすることが難しくなり、学校生活はより辛いものになります。

それを防ぐためにも学校内で孤立した子供は、他のコミュニティに参加させましょう。スポーツや習い事、その他のボランティアや遊びのコミュニティなど反社会的でなければ何でも構いません。他のコミュニティでうまく人間関係を作れたなら、学校内でもうまくいく可能性が高くなります。

心理的対策:子供とコミュニケーションをとる

いじめを受けている子供は総じてコミュニケーション能力が低いです。嫌なことを嫌と言えず、嫌がらせを受けても具体的な行動をとらないので、いじめの加害者から「弱い人間」と見なされてしまいます。子供がいじめられて困っている親が最初にとるべき行動は、きちんとコミュニケーションをとることです。

いじめの事実に怒り、先生や学校を訴えても効果は一時的です。子供が集団内でもやっていけるように、子供のコミュ力を鍛えてあげるのが親の義務と言えます。親は子供ときちんと会話をすることで、いじめの原因を見抜くことができ、それをきちんと指摘すれば、子供も集団内でうまく立ち回れるようになるはずです。

いじめをなくすことは不可能

いじめは日本の学校だけの問題ではなく、他の国でも普通に発生しています。人はその気が無くとも他人を傷つけてしまうものです。いじめでは、その加害者が複数になっただけに過ぎません。いじめの加害者に厳罰を求める声も大きいですが、それは加害者生徒の教育の機会を奪うことのもつながります。それよりもいじめの原因となる子供のストレスを取り除き、快適な教育環境を与えることが教育者の義務なのではないでしょうか。

いじめの理解を深めるには

いじめに対する理解を深めるには、専門の人が書いて本を読むのが一番です。いじめ研究の第一人者である内藤 朝雄氏の著書「いじめの構造」はいじめ問題について膨大なフィールドワークからわかりやすく説明しています。

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