相続税・贈与税の基礎知識をまとめました


相続税と贈与税について簡単にまとめてみました。

相続税とは

相続税とは人が死亡したことにより他の人に移転する財産に課される税金のことです。しかし相続税を逃れるために生前に贈与する人もいます。それを防ぐために贈与税も制定されています。相続税と贈与税は1セットの税制です。

ちなみに贈与税の基礎控除は110万円で、それを超えると課税されます。課税価格が200万円ほどなら10%で済みますが、3,000万円を超えると55%も課されます。このように課税価格が上がれば税率も上がるような税制は累進課税と呼ばれます。

相続税の計算方法

相続税の計算方法は平成27年から負担が増える方向に改定されました。課税価格は基礎控除額の3,000万円と相続人一人あたり600万円を相続合計額から差し引きます。

例えばもし1億円を相続して、相続人2人で分け合うと仮定すると、

10,000-(3,000+600*2)=5,800となって、この5,800万円に課税されます。

適用される税率は金額によって異なりますが、この表を見ればわかります。

スクリーンショット 2015-11-09 10.01.16

実際に計算してみると
1,000*10%=100
(2,000-50)*15%=292.5
(2,000-200)*20%=360
(800-700)*30%=30
100+292.5+360+30=782.5となり、782万5000円納税することになります。

以前の税制で計算すると課税額は3,000万円、納税額は392.5万円となり、2倍にも増えていることがわかります。今回の税制改定で富裕層への負担を大幅に引き上げる意図が見えてきます。

多くの人には関係がない?

フィデリティ退職・投資教育研究所の調査によると、一人当たりの平均相続額は3,000万円くらいです。しかしこれは一部の富裕層が平均を引き上げているので、実際の中央値は862万円となります。仮に相続人が2人だとしても遺産総額は1,700万円で、基礎控除の3,000万円に届きません。

相続時精算課税制度

相続時精算課税制度では控除額2,500万円までなら課税されることなく贈与できます。これにより大きな金額を一度に贈与することも可能になります。

しかし相続するときには贈与した金額も組み込まれるので、相続税の基礎控除を前倒しして使ったと考えるとわかりやすいです。2,500万円を超えた部分には一律20%の税率が課されます。

この金額も相続時には相続財産の一部として組み込まれ、納税した金額分だけ相続税から差し引かれます。簡単に言うと相続税の前払いです。これにより若い世代はより早い段階で高齢者からお金を受け取れます。

今までは生前贈与をすると高い税率を課されて、相続税も別に取られていましたが、この制度により、生前贈与では贈与税、遺産相続では相続税と、同じ納税額でフレキシブルな財産移転が可能となったのです。

贈与税をめぐる有名な裁判

贈与税関連の裁判では武富士のケースが有名です。

まず贈与税は日本に住んでいる人に課されます。逆に言うと日本以外の国に居住していれば、どれだけ露骨でも贈与税を払わなくて良いのです。

その制度の穴を突いたのが今回のケースです。武富士の会長の長男には多額の株が贈与されましたが、香港で居住することで贈与税の支払いを免れました。

しかし国税当局は明らかに租税回避が目的だと主張し、贈与税を課税したのです。こうして両者とも裁判にて争う姿勢を見せました。

結論から言うと、武富士側が勝訴しました。最高裁の判決では「租税回避が目的でも香港に住んでいたことに変わりがなく」、「租税回避を阻止したいなら、まずは法律を作るべき」という趣旨を述べています。


コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です