鍼灸師って儲かるの?


今回は鍼灸がどれくらい儲かるのかに関するお話です。鍼灸とは細長い鍼を体のツボに差し込んで肉体の治癒能力や免疫力を高める療法です。科学的なメカニズムが解明されていないので、代替医療とも呼ばれます。

漢方と同じく中国で生まれ、日本でも明治時代まで盛んに行われていました。西洋医学の導入とともに、衰退の一途を辿って行ったのです。按摩(マッサージ)同様、目が見えなくてもできるので、盲目者が主に従事していました。

儲かるのか

街を歩いていると鍼灸の看板もちらほら見かけます。しかし儲かっているとは言えません。鍼灸師の年収は250-350万円くらいで、平均年収を大きく下回っています。

なぜ儲からないのか

まず鍼灸師の増加が挙げられます。もともと鍼灸師の養成学校は認可が厳しく簡単には設立できないものですが、規制が緩和されてからは、次々と乱立するようになりました。高額な医療機器が必要なく、低コストで設立できるのも要因でしょう。これ以降鍼灸師の数は大幅に増え、供給が需要を大きく上回りました。

認知度が低い

私たちは鍼灸のことをよく知らないはずです。どの病気を治してくれるのか、どんな効用があるのかなどがほとんど認知されていません。こうしたアピール不足もあり、ほとんどの病人は病院を訪れます。

客観性がない

鍼灸の効果が「ある」ことはわかっていますが、メカニズムは解明されていません。誰にどれくらい効果があるのかは人それぞれです。しかし現代医療は厳密な数値によって薬の量や体の状態が管理されるので、不確定要素の多い代替医療は採用されません。現代医療は膨大な数の研究と調査、データそして実験によって成り立っています。だからこそ客観性が高く、信頼できるのです。

鍼灸のメリット

需要が少なく、信頼性がないと思われがちな鍼灸ですが、メリットもあります。鍼灸は鍼一本で行えるので、他の医療と比べてコストが圧倒的に低いことです。(1回あたり3,000-4,000円)ですので経済的に不利な途上国では鍼灸が注目を浴びています。

また今でこそ日本では健康保険のおかげで皆が格安で医療を受けられますが、万が一制度が破綻して全額自己負担になった場合は、また日の目を浴びるかもしれません。

鍼灸における保険の適用

鍼灸では治療費が保険点数化されておらず、療養費として請求されます。本来なら患者が治療費を請求しますが、手続きが煩雑なので、治療院側が請求します。この支払い形式を「受領委任払い」と呼びます。また鍼灸院が国に治療費を請求する場合、医師の同意書が必要になります。鍼灸では費用が点数化されていないので、不正な水増しを防ぐ狙いです。

悪用される接骨院

しかし鍼灸院と同族である接骨院では医師の同意書が不要になります。これにより治療費を水増しして国に請求することも可能になります。つまり不正請求の温床になっているのです。実際整合性の取れていない療養費が年間4,000億円ほど請求されています。この費用は国民の支払う健康保険からも支出されます。不正が続けば、国の支払う医療費も増加します。

もちろんほとんどの接骨院は真面目に仕事をしていますが、制度の悪用を防ぐ仕組みもまだ整っていません。それでも大きなトラブルにならなかったのは、鍼灸の市場が小さかったからです。もし医療費の節約のために鍼灸を取り入れるなら、解決すべき問題です。


コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です