貸金業の近年の状況を分かりやすく解説してみた


貸金業とは人にお金を融資して利息とともに返還してもらう仕事です。簡単そうに思えますが、実際はそう単純ではありません。

まず貸した人がきちんとお金を返せるか信用調査をしなくてはなりません。過去にお金を借りたことがあるか、その場合きちんと返済できたかは重要な情報です。こうした情報はクレジットヒストリーと呼ばれます。

またお金を計画通りに返さない人には催促の電話もします。追い立てが厳しいと、精神的に参って自殺したり、開き直って自己破産するかもしれません。貸金業は意外とつらいのです。

立ちはだかる試練

そんな貸金業をさらに追い詰める出来事が発生しました。2006年の貸金業法の改正です。貸金業の取立て行為や貸付行為が大きく制限されます。中でも大きいのが総量規制とグレーゾーン金利の廃止です。(2010年施行)

総量規制

総量規制とは個人が借りられるお金の額が年収の3分の1までに制限される仕組みのことです。
これにより消費者金融の利用者は半分にまで減ってしまいました。データはこちらからどうぞ。

グレーゾーン金利による過払い請求

グレーゾーン金利とは利息制限法と違法金利の間の部分の金利です。例えば利息制限法では元本100万円以上借りると利息は15%です。一方違法金利は年29.2%で、多くの貸金業者はこれを越えない金利で融資をしていました。

利息制限法を越えた部分の金利は支払う必要がありませんが、過去に払った金利を変換してもらうことはできないので、余分に金利を支払った利用者は泣き寝入りでした。しかしこの法改正で過去に払いすぎた利息を取り戻すことができるようになりました。

大打撃

この2つの法改正により多くの貸金業者は倒産し、貸金業の市場は大きく縮小しました。ちなみにこの法改正の目的は多重債務者の数を減らすことにあります。実際2012年までの過去5年間で多重債務者を8割減らすことに成功しています。

ヤミ金を使うくらいなら我慢する

過度の金利の規制により利用者がヤミ金に流れてしまうのではという懸念もありましたが、
データ上はそうなりませんでした。借り入れできない人の多くは支出を減らして我慢したのです。こちらのデータでは多重債務による自殺もヤミ金の被害も減少しています。

銀行の台頭

ここから銀行による貸金ビジネスの台頭が始まります。銀行もブランドがあり、儲かっているように見えますが、想像以上に辛いです。

貸金業は金利や手数料くらいでしか差別化ができないので、価格競争に陥りがちです。大企業は融資の必要が少ないですし、中小企業にはリスクが高く貸し出せません。

住宅ローンは美味しい分野なので、他の銀行との競争が激化しています。銀行はお金が余っていて、高い金利を取れるカモが必要だったのです。

そこで目をつけたのが個人向けのカードローンです。大手の消費者金融と提携して、ノウハウを学び、貸金ビジネスに参入しました。銀行には改正された貸金業法が適用されないのも強みです。こうして銀行のカードローンは現在勢いよく成長しています。

ソースとして載せておいたPDF「新局面を迎えた消費者金融市場」は消費者金融の概要を知る上で参考になります。余力があるなら目を通しておくと良いでしょう。


コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です